アルバム感想『重力と呼吸』/ Mr.Children


『重力と呼吸』/ Mr.Children
2018.10.3
★★★★★★★★☆☆

01. Your Song ★★★★★★★★☆☆
02. 海にて、心は裸になりたがる ★★★★★★★☆☆☆
03. SINGLES ★★★★★★★★☆☆
04. here comes my love ★★★★★★★★★☆
05. 箱庭 ★★★★★★★☆☆☆
06. addiction ★★★★★★★★★☆
07. day by day (愛犬クルの物語) ★★★★★★★★☆☆
08. 秋がくれた切符 ★★★★★★★★★★
09. himawari ★★★★★★★★★☆
10. 皮膚呼吸 ★★★★★★★☆☆☆

 

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 約3年4ヵ月ぶりとなる19thアルバム。

 

 前作(『REFLECTION』)に引き続き今回もセルフプロデュースを務めています。そして今回はコバタケこと小林武史氏が一切関与していないのが特徴の一つで、これはミスチルのアルバム史上初のこと。

 

 そんなこともあってか、ピアノ、ブラス、ストリングスなどの外部音も少なからず取り込まれてはいますが、前作以上にバンドサウンドに重点を置いたアレンジとミックスが施されています。過去作でいうと『Brandnew my lover』とか『#2601』とか そういった攻撃的なナンバーよりもアンサンブルが前面に強く出てますからね。それはアップナンバーに限らずミドル/バラード系ナンバーも込みで。楽曲云々以前にそこだけでもう「うおっ!」ってなっちまいますな。

 

 んで楽曲の傾向としては、前作とさほど大きくは変わってないです。世間一般的にぼんやりとイメージされているミスチルのポップソングがパッケージングされてるって感じで。かの佳曲『君が好き』よりも「君が好き」っぷりを高らかに歌い上げている『Your Song』がいきなりのオーソドックスなバラード。なんですが、JENのカウントと桜井氏の雄叫びで幕を開けるくだりが「バンドっぽくね!?」(木更津キャッツアイ風)って感じで、さっそく「うおっ!」ってなります。それでいて真っ当にいい曲。

 

 

 つーか本作収録曲はほぼほぼこんな感じですよ。開放感と爽快感がマジ半端ないアップナンバー『海にて、心は裸になりたがる』、激しくミスチルっぽいおセンチなメロディを聴かせるミドルナンバー『SINGLES』、無の地点から希望に向かって踏み出そうとする やたら力強いロックバラード『here comes my love』、過去の自分を回顧しつつネヴァーストップ精神をマニフェストするロックバラード『皮膚呼吸』も全部。

 

 

 や、厳密には例外があるんですけど、『addiction』はこれまでのミスチルにはありそうでなかったフュージョン的なアプローチがイントロから飛び出していて軽く驚きました。どこか翳りを併せ持った煌びやかなメロディ・サウンドがまた絶品。っていうか平歌におけるナカケイのベースがかっけえな!ピアノとグルになってシャレオツなムードを演出しちゃってさ。コバタケよ、何故1回だけでもこの手のアプローチに着手しなかったか。

 

 いちばん好きな曲は『秋がくれた切符』。歌詞はぶっちゃけ恋愛モノ青年コミックって感じの内容ですけど、切なさを煽るメロディと 秋の風景を色彩豊かに描写し 肌寒い外の空気感を演出するピアノや管弦アレンジがたまらんくて。壮大でこれまた力強いロックバラード『himawari』も素晴らしい曲。歌詞は余命僅かの「君」に対するダメ男の着飾りない心情をむき出しにしたって感じの内容ですけど、パワフルでスケールのデカいサウンドに乗り、勝ち組イケメンボーカリストによって歌われることでそれは美化され重みを増すという。

 

 

 っていうか、今作の歌詞はロストラブ系がやたら多いっすね。「今もまだ君のことが愛しくてたまらない」的な。バンドサウンドとバックで鳴るピアノが躍動するポップロックナンバー『day by day (愛犬クルの物語)』なんて、サブタイで「愛犬クルの物語」と謳っているけど、フォーカスされているのはご主人様が愛しいあの女性のことを忘れられずにいる様だったりするし、ほのぼのブラスポップ『箱庭』なんかサウンドの雰囲気とは裏腹に「別離してしまった君をまだ好きで好きで…」と未練タラタラぶりを気持ち悪いまでに晒していたりしますからね。

 

 ということで、前作に続き なかなか良かった。全10曲入り約48分というコンパクトな収まりもかなり大きな効果をもたらしているように思います。そして ヒツケーようですけど、とにかくアンサンブルがいつもより存在感あるなあって、その印象がめっちゃ強い。いやいやまさかミスチルがこんな肉体派(あくまでミスチル作品比)なアルバムをぶっ込むとはのう。まるで離乳食みたいな聴き心地の『HOME』やバンドサウンドがほぼアッカリーン!しかかってる『[(an imitation) blood orange]』とはえらい違いやんかと。

 

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