アルバム感想『SKYWALK』/ Novelbright


『SKYWALK』/ Novelbright
2018.10.3
★★★★★★★★☆☆

01.Walking with you ★★★★★★★★★☆
02.Morning Light ★★★★★★★★☆☆
03.ヒカリへ ★★★★★★★☆☆☆
04.Count on me ★★★★★★★★☆☆
05.また明日 ★★★★★★★☆☆☆
06.My Savior ★★★★★★★★☆☆
07.We are calling you ★★★★★★★★☆☆

 

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 男性5人組ロックバンド・Novelbright(通称・ノーブラ)の初となる全国流通のミニアルバム。2019年7月に仙台駅前で行われた路上ライブの動画がTikTokで拡散され、その動画を引用したツイートがバズり、さらにその影響でストリーミングでも大ヒットになるなど話題になったので、バンド名くらいなら聞いたことがあるという人も多いんじゃないでしょうか。ラジオにおけるCD音源のパワープッシュじゃなく ライブ動画でバズるってのが、CDや配信よりもライブにウェイトが置かれている昨今のミュージックシーンっぽくて 実にトレンディな売れ方。

 

 ということで、こちらのアルバム、今と違って彼らがまだまだ日の目を見てない時期にリリースされた作品なんですけども、前述したSNSでの拡散が切っ掛けで Spotifyのバイラルチャートで8週間1位を獲得した『Walking with you』などが収録されてることを考えれば、これが事実上のブレイク作と言ってもいいんじゃなかろうかと。

 

 ブレイクの切っ掛けを掴むための戦略が現代的な手法だったので、楽曲もミュージックシーンに一大センセーションを巻き起こす予感大のとびきりスゲーやつなのかと思ってたけど 別の意味で驚かされました。なんやこれ、どいつもこいつもめっちゃアニソンやん!それも、かつてのTBS「土6」「日5」枠のアニメタイアップにありそうな曲ばっかやんかと(ゆえに厳密には「アニソン」じゃなくて「アニタイ」)。ソニー系列のバンドかお前らは。

 

 『Walking with you』『Morning Light』『Count on me』『My Savior』といった疾走ロックナンバーは その手のアニメのOPテーマ感が半端ないし、本作唯一のバラード『また明日』と アニメのメインキャラの残像が星空に映し出されてるような画を連想させる大団円ロック『We are calling you』はアニメのEDで流れてる画しか浮かびようがないし、裏打ちミドルアップの『ヒカリヘ』はなんか挿入歌っぽい雰囲気。
 ちなみに歌詞は、ほとんどの曲が「闇を抜け出してあの光のもとへ」(大雑把)みたいな内容で、んーやっぱりかつての「土6」「日5」アニメみたいだなと。まあ かと言って 特別 中二病染みてるわけでもないんですけどね。

 

 

 

 んで、どの曲にも言えることですけど、とにかくボーカルのキーがくっそ高い。毎回毎回どんだけエモ散らかすつもりだと。カラオケユーザーに対する嫌がらせかと言いたくなるほどに高音を連発してはパワーを伴って綺麗に歌いやがる。路上ライブの動画もいくつか観たことあるけど、SNSでバズるのも当然だわなと納得しちゃうくらい 音源だけじゃなく生歌までしっかり上手いんですよね。

 

 また『Count on me』『また明日』においてボーカルによる口笛プレーが登場するのもちょっとした特徴。誰がどう聴いても間違いなく上手くてやたら饒舌なのは良いんですけども、得意技をアピりたいがために無理やりねじ込んだって感じバリバリで、ぶっちゃけ ちっとも効果的じゃない。『7th Trigger』(UVERworld)みたく軽快な口笛でユニークな違和感を演出するとか、『三人のおじさん』(BUMP OF CHICKEN)みたく間奏で敢えてカッスカスの口笛を鳴らすことで雰囲気ぶち壊して笑いを誘うとか、「目的」じゃなく演出の「手段」の一つとして口笛を活かすなら全然アリなんですけどね。てか路上ライブでヒゲダンの『Pretender』をカバーした時に間奏でさらっと口笛を披露してたけど、あれめっちゃ良かったじゃん。何故ああいう上手い使い方をしない。

 

 

 

 トレンド感は皆無だし、かと言って時代に左右されない普遍的かつ恒久的な魅力を備えてるとも違う、言ってみりゃ2005年~2010年あたりを想起させる作風ですよ。昔でいうシャ乱Qの90s J-POPらしからぬ歌謡曲アプローチとか、最近でいう 安斉かれんが確信犯的に初期の浜崎あゆみを踏襲したアプローチをかましてるのとは訳が違って、ギミックもリバイバル意識もなくこの鳴り。一体どんなセンスしとんねんこのバンドは、って思っちゃうわけですよ このアルバムを聴く限りでは。

 

 なんて言うとディスってるように聞こえるかも分かりませんが、んなこたぁない(森田一義風)。なんやかんやでどの曲も気に入ってるし、何人かそこそこのイケメンおるし(結局見てくれ)、なんといっても自分達の実力と戦略でしっかり多くのファンを獲得できたのはシンプルに凄いことだし好感が持てるじゃないすか。

 

 いくら志尊淳レベルでビジュアルが良かったとしても、ボーカル、楽曲、演奏のどれかに引っ掛かりがないとSNS上で拡散なんてされようがないし、フィジカルの実売はともかく、ストリーミングでチャート上位に入ってSpotifyの月間リスナーが90万人越えするとか これだけのヒットになってるってことは、彼らの音楽が大規模で受け入れられたってことでしょ。いいものはいいんだと。作風がトレンディだろうが時代錯誤だろうが関係ねーんだと。ましてや彼らはインディーズバンドですよ。新人のプロモーションに10億注ぎ込んじゃうくらいの大手レコード会社がテコ入れするなんてあるわけないし、彼らの関係者が複数アカウントを所持して印象操作したとしても万単位での”いいね”なんか付きっこないやんって話ですよ。

 

 ということで、このアルバムはなかなか良かった。と同時に、ボーカルの実力と切っ掛けさえあればこの手の音楽でも売れるんだなと分かってちょっと喜ばしくもあったり……って、うーん、なんかあんまり褒めてるようには聞こえんな。ぶっちゃけファンではないけど、こんな物言いしながらもバンド自体には割かし好感を抱いてるんですよ。

 

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