アルバム感想『ZENITH』/ PassCode


『ZENITH』/ PassCode
2017.8.2
★★★★★★★★☆☆

01. Maze of mind ★★★★★★★★☆☆
02. bite the bullet ★★★★★★★★☆☆
03. all or nothing ★★★★★★★☆☆☆
04. ONE STEP BEYOND ★★★★★★★★☆☆
05. Scarlet night ★★★★★★★☆☆☆
06. TRACE ★★★★★★★★☆☆
07. Same to you ★★★★★★★★★☆
08. カタルシス ★★★★★★★☆☆☆
09. rise in revolt ★★★★★★★★☆☆
10. Insanity ★★★★★★★★☆☆
11. MISS UNLIMITED ★★★★★★★★★★
12. Voice ★★★★★★★★☆☆

 

スポンサーリンク




 

 女性4人組アイドルユニット・PassCodeのメジャー1stアルバム。

 

 ロックを主軸とした音楽を演るアイドルはイマドキ珍しくありませんが、彼女たちが演っているのはエレクトロとスクリーモをハイブリッドした ピコリーモもといチャラリーモ。もっと言っちゃうと、ラスベガス(Fear, and Loathing in Las Vegas)のライト版を聴いてるような感覚。音楽性とか音の質感とか、ラスベガスに通ずるポイントがちょいちょい散見されるし。

 

 チャラいシンセをギャンギャン鳴らしながらハイテンポなハードコアサウンドで直進するものが大半ですけど、ブレイクダウンを挟むことも少なからずあるし、そこからダンサブルに転じるなどの大きな場面転換を行うものもあったりします。
 んでボーカルはハイトーンで なおかつオートチューニングがかかっていることがほとんど。そして、絶叫やデスヴォイスを担当するメンバーがちゃんといて、しかもアイドルという立場に甘んじることのない十分な強度を魅せているので、最初聴いた時は正直驚きました。バトルロワイアルで怪演を魅せた ブレイク前の柴咲コウを観たときのような衝撃ですよ。
 メロディはいずれもエモーショナルさを孕んだキャッチーな仕様ですけど、ほとんどの楽曲が特別メロディを際立たせるような作りになっていないし、ましてやオートチューニングがかかっているのもあって、メロディアスさはそんなにたっぷりとは味わえないです。

 

 

 メジャーデビュー曲でもある『MISS UNLIMITED』は目まぐるしい展開を魅せるチャラリーモで、メジャーに進出しようとも大衆に迎合する気は毛頭ないと意思表示をしたような王道を貫徹したナンバー。特筆すべきは、意表を突くメロディ展開が繰り広げられることと、そこで繰り出されるメロディのエモさが凄まじいこと。そして中盤のデスヴォイスで飛び出す「大統領~!!!」という不可解なフレーズ。なんだこりゃ。歌詞カードに全く記載がないので、空耳なのかどうかも良く分からんが、とにかく強烈なインパクトを残してます。そんなこんなでこれは本作きっての名曲。

 

 

 直線的ハードコアナンバー『Maze of mind』『all or nothing』、性急なシンセとビートが駆ける本作における最速ナンバー『ONE STEP BEYOND』、8bitサウンドを多分に取り込んだ電波感溢れるダンサブルナンバー『Scarlet night』、珍しくメロディが立っていることもありサウンドは相変わらずハードながら相対的にポップな印象のパンキッシュなピアノロック『カタルシス』、始終 目ん玉が血走ってるかのような爆走デジタルハードコア『rise in revolt』、ゴリッゴリなギターサウンドと野郎共のコーラスが印象的な硬派なハードコア『Insanity』と、収録曲のほとんどが攻撃的なアップナンバーである上に、ボーカル以外でアイドルっぽい要素がほぼ見当たらないという 音楽性とはまた別に精神性という意味でハードコアな側面を魅せてます。

 

 

 『bite the bullet』はワンコーラスごとに曲調が変わっていく多面性を有したエッジーなナンバー。どのパートも面白くてそこは良いんだけども、曲調が切り替わる際の運びがいやに丁寧というか ちょっと慎重すぎる感じがするんだよな。切り替わるまでの間が変に開いちゃうとせっかくのスリルが途切れちゃうから、ちょっとくらい力業で持ってくのもアリなんでは。

 

 

 それは『TRACE』に関しても同様ですね。ただ曲自体はやっぱ好きなんだよなあ。なんたってこの曲、デスヴォイスの存在感が他の楽曲よりも断然際立ってますからね、初っ端からスロットルフルで張り切りまくりだわ、「騒げ!騒げ!」だの「攻めろ!攻めろ!」だの狂騒ぶりが尋常じゃないわで。

 

 

 そして『Same to you』、これはかなり健闘してます。展開が複雑ながら 曲調の切り替えに躊躇いがないし、3拍子で豪快に突っ走ったり、ブラストビートに近接した狂暴なビートを炸裂させたり、突如 やたらふわふわした浮遊モードにワープしたりと、ラスベガスさながらのハチャメチャぶりを大いに発揮していて とにかく面白いし痺れまくり。

 

 ラストの『Voice』は本作においては相対的にミドルに属するナンバーですが、サイバーアレンジを用いたハードロックサウンドの強度はここでも健在。一歩一歩踏みしめて前進していくような退廃的なサウンドがカッコいいっす。

 

 難点を挙げるなら、各楽曲とも細かな差異があるとはいえ、基本的に疾走ハードコアとオートチューニングボーカル&デスヴォイスというスタイルを貫徹しているので、一曲一曲を集中して聴かないとどれも似たり寄ったりに聴こえてしまうかもということかな。そうは言っても、どの曲も思ってた以上の質と強度を備えていたので、私的には割と気に入りました。

 

スポンサーリンク




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です