アルバム感想『CLARITY』 / PassCode


『CLARITY』 / PassCode
2019.4.3
★★★★★★★★★☆

01. PROJECTION ★★★★★★★★★★
02. DIVE INTO THE LIGHT ★★★★★★★★★☆
03. Ray ★★★★★★★★☆☆
04. 4 ★★★★★★★★☆☆
05. Taking you out ★★★★★★★★★☆
06. THE DAY WITH NOTHING ★★★★★★★☆☆☆
07. horoscope ★★★★★★★★☆☆
08. It’s you ★★★★★★★☆☆☆
09. In the Rain ★★★★★★★☆☆☆
10. TRICKSTER ★★★★★★★★★☆
11. Tonight ★★★★★★★★★★
12. WILL ★★★★★★★★☆☆
13. 一か八か ★★★★★★★★☆☆

 

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 インディーズ時代の楽曲をリメイクしたベスト盤『Locus』から約1年ぶりとなるアルバムですが、オリジナルとしてはメジャー1st『ZENITH』より約1年8ヵ月ぶりとなる作品。ここでは、『ZENITH』を前作と呼んでレビューを書いていきます。

 

 今回も楽曲の基軸となっているのはピコリーモもといチャラリーモ。ひとえにチャラリーモと言っても、前作はハードコア要素のほうがやや強めでしたが、今回は総合的にハードコアもデジタルも前作以上に強化された上で偏りないバランス感覚でハイブリッドされてる感じ。で、それ以上にいいなと思ったのがパート毎の転調や場面転換など 曲展開の思い切りが良くなったこと。変な慎重さがだいぶ改善されていて、いい意味での強引さが楽曲の勢いや破壊力の加担に繋がってます。

 

 そして、ボイスワークもまたグレードをランクアップしてきています。特に今田夢菜のスクリームがより一層えらいことになってます。なんですかこの芸人顔負けの捨て身っぷりは。前作の時点でかなり驚愕モノだったのにまだ深化するんかいと。『In the Rain』における 中盤での唐突なブレイクダウンでかました太い絶叫なんて 獣の域に踏み込んじゃってますからね。この時点で既に女性アイドルの面影がほぼ皆無だと言うのに、さらなる深化の余地がまだまだ残されてるのがまた恐ろしいところ。1,2年後には魔物さながらの強烈なグロウルをかますまでに化けているかもしれないっすね。

 

 オープニングの爆走チャラリーモ『PROJECTION』からいきなり血眼でかっ飛ばしてます。サウンドの勢いが至極強力なのはもちろん、サビにおける喉ぶち切れそうなハイトーン歌唱が楽曲の猛進ぶりとブレイブリーさにますますの拍車を掛けており、天井知らずな突き抜けぶりを発揮しているわけです。そこからの急ブレーキもといブレイクダウンとか 様相がもはやメタルコア同然。硬質でバッキバキのアンサンブルを引き連れて落としにかかる絶叫が凄まじすぎて、アイドルソングを聴いてるという認識・感覚が粉々に打ち砕かれること不可避。PassCode、出だしからギラギラしまくってます。

 

 

 不穏なフレーズをさりげなく忍ばせた『Taking you out』は、再生した瞬間いきなり絶叫が先制攻撃を食らわす上に そこから頑なにボーカルに出番をよこさず吠え倒すし、ラスベガスに肉薄するほど曲展開が複雑だったりするし、音の強度やカオティックさ どちらをとっても中々強烈。

 

 逆に、ブレイクダウンなど強引な曲展開を挟まず直線的に突っ走るスーパーキャッチーなメロコア『Ray』、アイドルソングたるポップ感とスタジアムロック的なシンガロングパートが備わった 青春まさかりの爽快メロコア『It’s you』といった ストレートに展開されるナンバーも用意されてます。が、決してヌルくなったわけではなく、攻撃力はいい意味で相変わらずなので、安心して聴けます。

 

 

 シングルにもなった『Tonight』が私的ベストな一曲。サウンド自体はPassCodeの王道ですが 1コーラス目と2コーラス目で異なるメロディ展開が繰り広げられていたり、純粋に哀愁を孕んだメロディアスな歌メロが極めて絶品だったりと、耳を惹くポイントがいちいち強力というシンプルな理由。ただし、歌詞は日本語メインながら 歌詞カードを見ないとまともに聞き取るのはほぼ無理っす笑。

 

 

 その他、ダンスフロア感がクローズアップされていながらもメタリックなパワフルさや変態的な曲展開で聴き手を翻弄する『DIVE INTO THE LIGHT』、ファンキーな演奏で異彩を放っておきながらサビで結局いつも通りに突っ走ってまう『4』、ギターソロがやたらカッコいい (PassCodeにしては)ポップ要素が強めな『THE DAY WITH NOTHING』、絶叫もエモーショナルな熱唱も封印し 女性アイドルらしい素朴なボーカルに徹した ウォーキングテンポのミドルバラード『horoscope』、閉塞的なサイバー感に溢れたデジタルサウンドと リズム隊のプレーがバッキバキに迸ったアンサンブルとの掛け合わせが痛快極まりない『TRICKSTER』、デジタル要素を排して生のバンドアンサンブルとピアノでバックを固めた 清々しいメロディアスアップナンバー『WILL』、『賭ケグルイ season2』主題歌であり Re:versedの同名曲のカバー曲でもある チャラリーモでコーティングした和風ハードコア『一か八か』など、ユニットの音楽性から逸脱しない範疇で程よく幅を広げているのが良いですな。

 

 「アイドルらしからぬ」という枕詞に頼るまでもないほど抜群の攻撃力を有しているのは間違いなく強みですけども、せっかくアイドルとして活動してるんだし、ボーカル(当然、今田夢菜のスクリームは含まない)もいい意味でアイドルらしさが備わってるんですから、ビジュアルやパフォーマンスだけでなく、少しくらい楽曲でもアイドルらしさを打ち出すのもいいじゃないのと思うわけです。そして、その変化は見事に功を奏した。個人的には前作よりもお気に入りの一枚。

 

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