アルバム感想『全知全能』 / ポルカドットスティングレイ


『全知全能』 / ポルカドットスティングレイ
2017.11.8
★★★★★★★★★☆

01. テレキャスター・ストライプ (全知全能 ver.) ★★★★★★★★★☆
02. BLUE ★★★★★★★★★☆
03. 人魚 (全知全能 ver.) ★★★★★★★★☆☆
04. フレミング ★★★★★★★★☆☆
05. エレクトリック・パブリック (全知全能 ver.) ★★★★★★★★★★
06. サレンダー ★★★★★★★★☆☆
07. 夜明けのオレンジ (全知全能 ver.) ★★★★★★★☆☆☆
08. 顔も覚えてない ★★★★★★★★★☆
09. ジェット・ラグ ★★★★★★★★★☆
10. シンクロニシカ (全知全能 ver.) ★★★★★★★★☆☆
11. 極楽灯 ★★★★★★★★☆☆
12. ショートショート ★★★★★★★☆☆☆
13. レム ★★★★★★★★☆☆
14. ポルカドット・スティングレイ (全知全能 ver.) ★★★★★★★★★★

 

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 ポルカドットスティングレイのメジャー1stアルバム。

 

 インディーズ時代に深く掘り下げていった自身の強みを継承しつつ、今回は外へ上へと開かれたイメージの楽曲にも手を広げているのが特徴的。

 

 全14曲入りとなかなかボリューム感があるのは嬉しいトコですけど、既存曲が6曲もあるので、リメイクされてるとは言っても インディーズの作品を既に聴いてる人からすると ちょっと物足りなく思えてしまうかも分かりません。
 逆にポルカ初心者からすると、『テレキャスター・ストライプ』『夜明けのオレンジ』『エレクトリック・パブリック』など バンドの代表曲やライブでの定番曲がこの一枚に収められているので、必要最低限の楽曲を手っ取り早く押さえられるという意味ではありがたい措置なのではないかと。

 

 リメイク楽曲でポルカの王道路線であるダンサブルロックを多々押さえてあるからか、アルバム用の新曲では王道路線にまんま乗っかったものはほとんどありません。
 強いて言うなら、リード曲であり、長谷川カオナシ(クリープハイプ)がバイオリンで参加した『レム』くらいかな。雲ひとつない青空を思わせる爽快感が備わったダンサブルロックで、真っ当にいい曲だしアルバムのリード曲としても至極適任。

 

 

 言葉を詰め込みつつ軽快にリズムを刻んだメロパートと『黄昏サイキック』を想起させる物憂げな色味が淡く滲んだサビとの対比が効いた ミドルファンク『BLUE』、ジャジーかつムーディーなミドルスローのメンヘラソング『フレミング』、東京事変意識バリバリのシャッフルアップ『サレンダー』は、王道路線ではないものの これまでのポルカに通ずる作風で、いずれもポルカらしさや強みを改めて確立させた佳曲たち。

 

 ひとえにジャジーと言えどパンキッシュに爆走する類の『顔も覚えてない』は、ライブで表出するハイテンションぶりをそのまま持ち込んだり、間奏ではネタモノ的な掛け合いをぶち込んだり、ギターソロパートではレーベルメイトのヤバイTシャツ屋さんが大声のみで参加したりと、遊び心あるフランクさが盛り込まれているのが否応なしに耳を惹く特徴で、個人的には素直に面白いと思った。

 

 『ジェット・ラグ』は爽やかソングでありつつも 贅肉を削ぎ落としたシンプルさやスマート感、moumoonを想起させるシャレオツ感を有しており、なんだかインテリジェンスなオーラを感じます。変に力まない緻密で淡々としたアンサンブルと、雫ちゃんの情感を控えめにした平熱なボーカルが滑走してるみたいな、そういうイメージ。そんな中、ラストで楽曲の印象を崩さずしてボーカルも演奏もメッキを剥がしていくあたりに らしさが良い意味で表れてます。

 

 『極楽灯』は生半可にSHISHAMOっぽい穏やかなバラード。少ない音数で鳴らされた音世界と雫ちゃんのシルキーなボーカルがとても聴き心地柔らか。メンメンヘラヘラしてるばかりがポルカではないことをこの曲でしっかりアピールしてます。

 

 『ショートショート』は爽快かつストレートなギターリフが牽引するイントロが売れ線J-POP感ハンパなくて逆に驚き。メロディや曲展開、歌唱までも売れ線まっしぐらって感じですが、演奏がヌルくなったということはないし、メロディの吸引力も十分。シングルカットやリード曲扱いということもないんで個人的にはアリです。その気になりゃ売れ線ナンバーも演れちゃうんだぞということを訴えてるのかしらん?

 

 そして、ラストの『ポルカドット・スティングレイ』は、その他のリメイク版と違ってアレンジ自体が大きく変わってます。四つ打ちダンサブルアップナンバーだった曲がボサノバテイストのミドルスローへと変貌しているのですが、これがかなり良い。別物として大いにアリというか、色気と気だるさが映える歌メロにはこのアレンジのほうがより適してる感じが。極限まで抑えた音数と出しゃばらないプレーによってメンバーの演奏スキルの高さが改めて明確になったし、間奏でのファンクなプレーも歌の添え物とは片付けられないくらいカッコいい。

 

 メジャー進出の一発目としてはよく出来た一枚じゃないでしょうか自身のイズムを損ないも緩めもせず、かつ売れ線にもしっかり順応出来てるし、最初に聴く一枚としても有効だし、インディーズ作品から続けて聴けば順当なステップアップを実感できる優良なアルバム。

 

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