アルバム感想『有頂天』 / ポルカドットスティングレイ


『有頂天』 / ポルカドットスティングレイ
2019.2.6
★★★★★★★★★☆

01. ICHIDAIJI ★★★★★★★★★★
02. DENKOUSEKKA ★★★★★★★★★★
03. ドラマ ★★★★★★★★★☆
04. パンドラボックス ★★★★★★★★★☆
05. ばけものだらけの街 ★★★★★★★★☆☆
06. リスミー ★★★★★★★★★☆
07. 大脱走 ★★★★★★★☆☆☆
08. ラブコール ★★★★★★★★☆☆
09. 7 ★★★★★★★☆☆☆
10. ラディアン ★★★★★★★☆☆☆
11. ヒミツ ★★★★★★★★★☆
12. 話半分 ★★★★★★★★★★
13. 有頂天 ★★★★★★★★☆☆
14. ミドリ (高校3年生 ver.) ★★★★★★★★★☆

 

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 フィジカルの作品としては約9ヵ月ぶりとなる2ndフルアルバム。

 

 今回は徹底してポピュラーミュージックを突き詰めてます。純粋に各曲のポップ性がアップしてるとか 普遍性を伴った歌詞が登場するようになったというのもあるし、今まで調味料程度にしか取り入れられてなかった外部音が積極的に盛り付けられるようになったり、そういったアレンジにメンバー以外のアレンジャー(主に ながしまみのり氏)が大きく関与していたりと、4人だけで音を鳴らしていたインディーズ期と比べればだいぶ外へ開かれてる印象が強いです。

 

 ここまでポピュラリティが高まると「セルアウトしちまった」みたいな声も少なからず上がってくるかもしれませんが、個人的にはこういうポルカもアリなんではと思います。まあその変化に関して諸手を挙げて喜べるかといったら そこは微妙なトコなんですけども笑、ポルカって元々ポップさを内包してるバンドだし、インディーズ期からの積み重ねが活かされた楽曲も多々あるし、演奏ひとつとっても相変わらず冴えてますからね。ハルシのギタープレーが「終始 俺のターン」状態になってる曲があるのも個人的にはガッツポーズしたくなるほどの朗報ですな笑。

 

 配信で既にリリースされていた『ヒミツ』は、ポルカの鉄板となって久しいダンサブルロックでノリの良さやメロディの吸引力もバッチリだし、『DENKOUSEKKA』もまたポルカ王道のダンサブルロックで その上どきゅーんずきゅーん胸打つほどにごきげんなキレキレ演奏でぶちかましてくれるし、雫ちゃんの魔性溢れるボーカルにゾクッとすること必至だしで、とてもじゃないが心臓がもたんわ。

 

 

 『大脱走』はポルカがたまに演る東京事変っぽいシャッフルナンバーで、この手の曲に限り 雫ちゃんのボーカルから椎名林檎っぽさが漏れてしまってます笑。そういや曲タイトルもなんか事変っぽいな。そういうトコも確信犯的にやってんのかしらん?

 

 こういったポルカらしさを貫徹した楽曲がある一方、ストレートなロックサウンドに徹した楽曲もいくつか押さえてあります。

 

 『ドラマ』はセンチメンタリズムが溢れて止まない清々しい疾走ポップロックで、前作でいう『少女のつづき』に感触はちょっと近いかも。
 ほんで歌詞は女子のピュアな恋模様を切り取った これまた直球なラブソング。ですが、「1秒も無駄にしないわ」「大体夢は夢のままで終われない」「私にそんな暇はない」と、後押しするフレーズに雫ちゃんの独自性が表出しており、ありきたりに収束していないのが良いです。
 そして雫ちゃんの歌唱には、この曲が欲するピュアな感傷性がしっかり打ち出されていて、胸を締め付けてきます。インディーズ期はエグみの表現が際立ってましたが、この手の表現もだいぶ巧みになってきました。まあそうなったらそうなったで今度は佐藤千明(ex.赤い公園)っぽく聴こえちゃったりするんですけど笑。

 

 マニフェストやファンへの想いなど 自身の心の内を初めて吐露したという『ラブコール』もまた奇の衒いがないロックナンバー。サウンドやメロディがストレートなだけあって、言葉も演奏も却って力強く響きます。アニメタイアップがついた『ラディアン』も驚くほどにシンプリーで直線的な疾走ロックナンバー。てかどの曲も今までより音が太くなりましたね。

 

 『ばけものだらけの街』は、アーバンテイストのファンクナンバーで、雫ちゃんのラップ共々チャレンジ要素がグルーヴ感を纏った楽曲として昇華されてます。こういうブラックテイストの楽曲もしっかり演れちゃうのはプラス以外のなにものでもない。この手の楽曲が増えるなら それは歓迎だし、そこから派生してまた面白いものが出てくれば尚良し。

 

 『7』は、エレクトロアレンジがノスタルジックなトキメキをもよおすポップナンバー。アンサンブルにデジタルを織り混ぜるスタイルではなく、バンドサウンドを敢えて手離して制作されているあたりが如何にもポピュラーミュージックって感じ笑。あんだけ出ずっぱりだったハルシのギターさえも ここではワンフレーズをループしたものが鳴らされていたりするし、バンドサウンドに拘らない音作りにとことん徹しています。普通に良い曲だし、アルバムに1,2曲程度収録される分には無問題。

 

 『話半分』は、凛々しくてどこか影がある女性の恋愛における不器用さや感情の機微を描写したミドルスローナンバー。儚げでしっとりしたアレンジもいいし、ファンクテイストの演奏もバラードに近い聴かせる類の曲ながらムードを崩さずグルーヴを生み出していて、地味ではあるけどしっかり楽曲の根幹を支えています。そして雫ちゃんの歌がまたしても素晴らしい。楽曲に登場する女性のキャラクター性を踏まえた上でナイーブな心模様を的確に表現していて、楽曲の世界がより明確なものになってます。歌唱に限れば私的にはこれがベストだな。なんかちょっと絢香っぽく聴こえたりもするんですけど笑。

 

 そして実質ラストにあたる『有頂天』は、ざっくり言えばお馴染みのダンサブルロックですが、ブラスセクションやピアノを大々的に導入しているのが特徴で、ノリといい煌びやかさといいモロにディスコです。

 

 

 ボートラ扱いの『ミドリ (高校3年生 ver.)』は、前作収録の『ポルカドット・スティングレイ (全知全能 ver.)』と同様ボサノバテイストの渋いアレンジで改変されています。あまりにもボサノバアレンジが嵌まりすぎてて、原曲がどんなんだったか忘れてしまうほど。

 

 難を言うなら、前年リリースのミニアルバムからまんま再収録された楽曲が3曲もあったのがちょっとな。配信シングルとしてリリース済みの『ヒミツ』が収録されるのは全然理解できるんですけどね。

 なんて不満もありはしましたが、トータル的にはなかなか面白かった。元からのハイスペックぶりに驕ることなくバンドとしての着実な進歩が窺える箇所も多々あったし。

 

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