アルバム感想『一大事』 / ポルカドットスティングレイ


『一大事』 / ポルカドットスティングレイ
2018.5.9
★★★★★★★★★☆

01. 少女のつづき ★★★★★★★★★☆
02. パンドラボックス ★★★★★★★★★☆
03. リスミー ★★★★★★★★★☆
04. 煌めく ★★★★★★★★☆☆
05. ICHIDAIJI ★★★★★★★★★★
06. 半泣き黒猫団のテーマ ★★★★★★★★★☆

 

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 前作から約半年ぶりとなるアルバムで、ミニアルバムとしては約1年ぶりとなる作品。

 前作で示したポピュラリティとオリジナリティの双方がさらに奥行きを増したような感じがしますね。つまり、売れ線ナンバーなら より売れ線ぶりを突き詰め、独自のコアな側面や演奏のエッジーさは更に研ぎ澄まされていたりと、どの方向性にしてもワンランクアップを意識して制作に臨んだように思えます。

 

 ドラマ『恋のはじまりは放課後のチャイムから』主題歌である『少女のつづき』は、売れ線まっしぐらの胸キュンガールズロック。タイアップ先を意識した結果というのもあるでしょうけど、こりゃまた随分とポップに寄せたなあと。

 その上、雫ちゃんのボーカルもガーリッシュ成分がかなり多めだったりしますけど、まあ雫ちゃんの声には元から可愛らしさが含有されていたし、楽曲が欲している甘酸っぱさやキラメキが淀みなく具現化されているし、演奏も相変わらずタイトで、むしろポピュラーな作風に寄せたからこそバンドの地力をしっかり打ち出さにゃならないみたいな意地をひしひしと感じる。何の問題もないやんかと。元はと言えば、『テレキャスター・ストライプ』のMVでバニーガールに扮して にゃんにゃんポーズをとる雫ちゃんに釣られて聴き始めた私ですよ。その可愛さがまんま活かされているのだから、素直に喜ばんかいと。

 あと、私的にはハルシのギタープレーが好きですね。それはこの曲に限った話ではないんですが、売れ線にシフトしたと言えど、ハルシならではの感傷性が変わらず備わってるし、歌メロのバックでも構わずピロピロしてるし、演奏面の聴き応えも相変わらず抜群やなと。

 

 活気に満ちたストレートなガールズロック『煌めく』も同様ですね。捻りや毒性がない分、演奏のシンプルな力強さが際立っており、それがしっかり楽曲を後押ししてます。

 

 『パンドラボックス』は、ギターがジュディマリばりのトリッキーなカッティングプレーで狂騒する超絶キレッキレの性急アップナンバー。打って変わりこちらは演奏テクをさらに研磨してきました。SNS上でやいのやいの騒ぐ匿名の連中に中指を立てたような歌詞もまた痛快っすな。

 

 

 『リスミー』は、モヤモヤとした恋愛感情の中で宙ぶらりんになったような様をまんまパッケージングしたミニマルなスローナンバー。この手のサウンドは、インナーサイドにおけるポルカの一面としてすっかりお馴染みですね。これまで以上に音数を絞り 徹底してミニマルを突き詰めたサウンドは、足取り覚束ないナイーブな歌唱とグルになって ゆっくりと着実に物思いの沼へと引き摺り込んできます。もつれてしまった数多ある感情の糸に足が絡まってもはや逃げる術がない…みたいな、そういうヤバさを内包している楽曲であります。

 

 そして本作のタイトルトラック『ICHIDAIJI』は、ポルカの王道路線であるダンサブルロックの最新版。歌メロも然ることながら、サザエさんのBGMを想起させる几帳面かつキメ細やかなギターリフがとびきりキャッチーで、訴求力は過去最高と言ってもいいんじゃないでしょうか。初っ端から飄々と振る舞っていながら、1コーラス終了後の間奏でテンポダウンしてエモーショナルな色合いをグッと濃く絞り出す このくだりがなんだか泥臭くてカッコいいっすな。得意分野に更なる磨きを掛けた名曲であります。

 

 

 CDのみ収録されたボートラ『半泣き黒猫団のテーマ』は、タイトルから想像できるその通りのネタモノロケンローナンバー。わけのわからん語りなどが入ってたりしますが、サウンドはキレキレでカッコいいのよ笑。カッティングギターとかゴキゲンなベースとか。こういう遊び心に富んだアプローチは好きだな。まさしく「ボーナストラック」って感じがして、かなり気に入ってます。

 

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