ポルカドットスティングレイ インディーズ作品レビューまとめ

 

 女性ボーカル擁する4人組ロックバンド、ポルカドットスティングレイ。軟骨魚類であるエイの一種でポルカドットスティングレイというのが存在するのですが、名前のパンチの強さでバンド名に選んだそうな。ちなみにポルカドットスティングレイというお魚さん、大阪にある博物館・NIFREL(ニフレル)で観ることが出来ます。どうでもいいか。

 

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 再生回数約2000万回を記録したインディーズ時代の楽曲『テレキャスター・ストライプ』のMVで一気にブレイク。その後も武道館でのワンマンライブや数多のロックフェス出演も果たし、最近ではスマホアプリ「ポケモンマスターズ」のTVCMに出演したり、映画やCM、ドラマタイアップ曲も手掛けていたりと、お茶の間で見聞きする機会も増えてきているのでご存知の方も多いかと思います。

 

 

 私も前述の『テレキャスター・ストライプ』で彼らの存在を知ったクチなのですが、楽曲のカッコよさも然ることながら、そのMVでバニーガール姿でにゃんにゃんポーズを披露した バンドのボーカルでありブレーンでもある雫ちゃんにまんまと釣られてしまったのでありました。そんな彼らのインディーズ時代の作品をクローズアップしてみました。

 

★2nd Single『極彩』


『極彩』 / ポルカドットスティングレイ
2015.6.13
★★★★★★★★☆☆

01. ポルカドット・スティングレイ ★★★★★★★★☆☆
02. 黄昏サイキック ★★★★★★★★★☆
03. 夜明けのオレンジ ★★★★★★★☆☆☆

 

 こちらは、ポルカドットスティングレイのインディーズ時代の作品で、ライブ会場および配信限定で販売された全3曲入りの2ndシングルであります。現在は廃盤となっていますが、配信では購入可能で、ストリーミングでもLINE MUSICやApple Musicなどであれば3曲とも聴けます。

 

 外部音を極力用いず、バンドサウンドだけで完結させた ザラつきあるオルタナロックがベーシックとなっており、これは本作のみならず現在のポルカドットスティングレイにも言える特徴です。

 

 まずは雫ちゃんの歌唱。もうこれはあちこちで散々言われていて本人もうんざりしとるんちゃうかって感じですけど、歌い方は息遣いに椎名林檎っぽさが表れてます。初期の作品ほどそれが色濃く出ているのですが、常に椎名林檎を意識して歌ってるというより、インスパイアされた結果それっぽい癖がついたって感じなのかしらん、よく分からんけど。でも声質はちょっとYUIっぽい甘味や可愛らしさを含有しているし、色気は有れどケバケバしかったりドロドロしてたりということはないので、比較的取っつきやすいし、言うほど椎名林檎フォロワーが強く出てる感じでもないし、個人的に このカッコ可愛いボーカルは かなり気に入ってます。

 

 バンド名を冠した『ポルカドット・スティングレイ』は、縦ノリ四つ打ちを下地としたアッパーなロックナンバー。リズム隊がしっかりしているからこそダンサブルなグルーヴが発揮されているのですが、それ以上に(特にサビで)小賢しくカッティングするファンキーなギターの存在感が一際強く、これまた躍動ぶりが快感。そして、雫ちゃんのボーカルがなんとも気怠げで色っぽく、これが楽曲に仄かなる冷涼感を与えています。メジャー1stアルバムにリメイク版が収録されてますが、全く別バージョンに変貌しているので、実質このアルバムでしか聴けないテイク。

 

 続く『黄昏サイキック』は、物憂げなムードのミドルロックナンバー。装飾音などでむやみやたらに隙間を埋めようとしない シンプルな音作りが却ってブルーな空気感を際立たせていて良いですな。それでいて仕上がりは湿っぽさがなく実にクール。ミドルテンポでありつつ ここでも踊れるビートを敷いているのもまた良きかな。ほんで、雫ちゃんの「Oops…!」がエロい。本作でいちばん好きな曲なんですけども、リメイクがされてない上に 最近ではライブでも披露されてなさそうなので、本当にこの作品でしか聴けない曲ということになります。

 

 ラスト『夜明けのオレンジ』は、本作のリード曲。後にリリースされるミニアルバム『大正義』やメジャー1stアルバムでリメイク版が収録されてることから、如何にこの曲がバンドから寵愛されてるか ってのが窺えますな。奇天烈なギターフレーズといい 一風変わったメロディ展開といい、何かとトリッキーな印象の楽曲ですが、総体的には至極ポップな優良ギターロックって感じ。このバンドを象徴しているかのようなナンバーですね。

 

 処女作にして既に手堅いクオリティを以てオリジナルの音楽が確立されてるのは立派。わずか3曲ながらパンチの効いた楽曲たちが集った良作であります。

 

 

 

★1st EP『骨抜きE.P.』


『骨抜きE.P.』 / ポルカドットスティングレイ
2016.11.9
★★★★★★★★★☆

01. ハルシオン ★★★★★★★★★☆
02. 心ここに在らず ★★★★★★★★★☆
03. 人魚 ★★★★★★★★☆☆
04. テレキャスター・ストライプ ★★★★★★★★★☆

 

 こちらがはシングルでもなくミニアルバムでもなく、EPという扱いになる作品。タワレコ限定で販売されたそうです。前作の延長とも新境地開拓ともちょっと違う、未公開だったポルカの一面を初めて解禁したって感じの一枚ですね。

 

 彼らの知名度が著しくアップする契機となった『テレキャスター・ストライプ』は、前作収録の『ポルカドット・スティングレイ』に通ずる裏打ちダンサブルアップナンバー。ギターの小賢しさがワンランクアップしており、ノリの良さにもしっかり有用してます。ほんで(特にサビで)和製英語や日本語に関わらず 英語っぽく歌っているのも特徴的で、これがまた滑らかなグルーヴを効果的に発揮しています。が、歌詞を見ないと何歌ってんだかちっとも聴きとれん笑。

 

 前曲と同様にMVが制作され、メジャー1stで再録された『人魚』は、シャッフルビートで躍動するマイナーロック。この曲もやっぱ楽曲の手綱を引く小粋なギターサウンドが良いっすな。曲展開のルーティン化を回避すべく、2コーラス目で ベースがスラップしたり曲線を描くように昇降したりとパターンを変えてきてるのもプラス要素。

 

 そして、MVがない残り2曲もなかなか良い。前述2曲のおまけと安易に捨て置けないクオリティゆえ、メジャー1stがリリースされた今でも聴いておく価値は十分あります。つーか聴け!ポルカを押さえるならココは必須項目じゃボケ!カステラでいうトコのザラメに相当する とってもオイシイとこやぞ!

 

 オープニングを飾る『ハルシオン』、ハルジオンじゃなく「ハルシオン」で、睡眠薬として使われている医薬品の名称だそうです。tricotオマージュがモロに出てます。変拍子やブレイクを多様したマスロック近接のサウンドを器用に消化し程よくポップにアウトプットした佳曲であります。ちょいちょい見せ場が設けられてるギターがエッジーさをさらに付加していて、これがまたカッコいいのよな。

 

 『心ここに在らず』は、ベースがいやらしい空気感をムンムン漂わせるミドルスロー曲。間奏で狂おしく鳴り響くギターソロや、メッキが徐々に剥がれ落ちていくようなボーカル、それらによって混沌さがエスカレートする展開。この堕落っぷりがアブノーマルな快感をもたらす、ちょっとヤバみな隠れ佳曲であります。

 

 

 

★1st Mini Album『大正義』


『大正義』 / ポルカドットスティングレイ
2017.4.26
★★★★★★★★★☆

01. エレクトリック・パブリック ★★★★★★★★★★
02. ミドリ ★★★★★★★★★☆
03. シンクロニシカ ★★★★★★★★☆☆
04. ベニクラゲ ★★★★★★★★★☆
05. 本日未明 ★★★★★★★★★★
06. 夜明けのオレンジ(大正義 Ver.) ★★★★★★★☆☆☆

 

 というわけで、これがポルカにとって初となるミニアルバムであります。ボリューム感こそ控えめながらも、自身の独自性を掘り下げていった結果、温泉水ばりに彼らの旨味がドバッと湧き出てきた 会心のラインナップ。そして、CD盤に限り『夜明けのオレンジ』のリメイク版が収録されてます(つまり、配信やストリーミングでは聴けないということ)。

 

 本作のリード曲である『エレクトリック・パブリック』は、ライブやフェスで定番化している王道のダンサブルアップナンバー。リズム隊のタイトなプレーや、ツインギターの絡みも上々ながら、この曲はキュートさと色っぽさがバランスよく混在したボーカルが特に素晴らしすぎます。Aメロでの 甘えを交えながらダメっぷりを露にした確信犯的ヤワな歌いっぷり然り、Bメロでの「ア~アッ♪ア~アッ♪ア~アッ♪ア~アアァ~~♪」然り、椎名林檎フォロワー感を見事に脱却してオリジナリティをしっかり確保したこの歌唱がたまらんですよね~。

 

 『ミドリ』は一人勝手に男に翻弄される自分自身への嫌悪ぶりを描写したミドルテンポのメンヘラソング。リズム隊が敢えて淡々と演奏してる分、狂気が滲み出たボーカルと精神の不安定ぶりを体現した病的なギターサウンドの存在感が際立ってます。この歪さは温泉水でいう硫黄の成分に相当するトコですかね。クセの強さゆえに聴き手を選ぶが、効能が噛み合えばド嵌まりしてしまうみたいな。

 

 演奏陣の忙しない振る舞いと、2サビ手前での洪水のようなアンサンブルがデカいインパクトを放つ『シンクロニシカ』、深海の底まで沈み意識が朦朧としていくような危ないイメージを喚起させる これまた狂気的ミドルスロー『ベニクラゲ』も漏れなく佳曲。

 

 そして、チャキチャキのギターロック『本日未明』がこれまた素晴らしき一曲。表面的には割りとポップですけど、カラッとしたサウンドと、喪失感や虚無感を紡いだ歌唱とのコントラストが胸を抉ってくるし、メンバーのポテンシャルが発揮されたキレキレでアグレッシブな演奏もくそカッコいいし、ポルカならではの強みがギュギュッと濃縮還元された名曲なわけですよ。

 

 てなわけで、個人的な印象としては、以上3作のインディーズ作品をもってポルカドットスティングレイの基礎がガッチリと固まった感じがするのですよね。ポルカを嗜む第一歩として、メジャー1stアルバムを最初に手に取るのが手っ取り早いかと思いますが、律儀にインディーズ作品から聴いていくのも大いにアリなんじゃないかなと。曲数そんなに多くないし。

 

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