アルバム感想『Wahl』 / Roselia


『Wahl』 / Roselia
2020.7.15
★★★★★★★★★☆

01. R ★★★★★★★★★☆
02. BRAVE JEWEL ★★★★★★★★☆☆
03. Determination Symphony ★★★★★★★☆☆☆
04. FIRE BIRD ★★★★★★★★★★
05. Safe and Sound ★★★★★★★★☆☆
06. Avant-garde HISTORY ★★★★★★★★★★
07. Break your desire ★★★★★★★★★★
08. Re:birth day ★★★★★★★★☆☆
09. Neo-Aspect ★★★★★★★★★☆
10. 約束 ★★★★★★★★★☆
11. “UNIONS” Road ★★★★★★★★★☆
12. Song I am. ★★★★★★★★★☆

Vocal:湊 友希那(CV:相羽あいな)
Guitar:氷川紗夜(CV:工藤晴香)
Bass:今井リサ(CV:中島由貴)
Drums:宇田川あこ(CV:櫻川めぐ)
Keyboard:白金燐子(CV:志崎樺音)

 

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 ガールズバンドプロジェクト「BanG Dream!」発の女子高生5人組バンド・Roseliaの約2年2ヵ月ぶりとなる2ndアルバム。前作を聴いて以降、アニメだけでなくアプリゲームのほうもチェックするようになったので、その点を踏まえた上でのコメントと、ストーリーを抜きにした上での感想を書いていきたいと思います。

 

 まず、収録された全12曲のうち3曲(『Avant-garde HISTORY』『Break your desire』『Song I am.』)が初CD化された楽曲で、残り9曲は既にCD化された楽曲、さらに言うとその既存曲のうち3曲(『Determination Symphony』『Re:birth day』『Neo-Aspect』)は前作『Anfang』に収録済みの楽曲となっております。

 アニメにもアプリゲームにも一切手をつけてない状態だと、なして前作収録ナンバーがまた3曲も入ってるのかイミフすぎるかと思いますが、選曲と配置にはちゃんとした意味があります。前半6曲がアニメ2期, 3期関連曲、中盤にガルパ総選挙1位記念曲『Break your desire』を挟んで、後半はバンドストーリー1章、2章、そしてノーブルローズ3部作の楽曲で締め…という流れになってるわけですね。

 

 これを知っていれば12曲のセレクションに納得がいくんですが、前作『Anfang』に続くオリジナルアルバムとして考えると、やっぱり前作収録曲は3つとも外して 今回選曲漏れしたカップリング3曲とトレードしたほうが絶対良いし、『FIRE BIRD』と『Safe and Sound』は順序を入れ替えたほうがよくね?と思ってしまうのが正直なトコ。まあメンバーチェンジ前に録られた楽曲は現メンバー体制で再録されてるので、そういうトコはいいなと思いますけど。

 

 ただ、収録曲はどれもこれも良いものばかり。
 中でも『FIRE BIRD』は物語のクライマックスさながらのドラマティックさや燃え盛るようなパッションに溢れた名曲。てゆーかコレ、言ってみりゃメタル版『ETERNAL BLAZE』だよね?メロディラインとか曲展開とか細かい緩急の付け方とか、水樹奈々ヲタクだったら絶対にエタブレがよぎるし、作詞作曲を手掛けた上松も単なる手癖バリバリじゃなく明らかに意識してやってるよね?その辺はおそらく声優さん達も薄々勘づいてるかとは思いますが、とにかくこの曲は前奏やサビにおける 不死鳥も同然の飛翔感たっぷりな這い上がり様がカタルシス満点でたまらんすぎるぞと。

 

 

 珍しく妖艶さがクローズアップされた芳醇なハードロック『R』、『革命デュアリズム』っぽさバリバリの熱情ハードロック『BRAVE JEWEL』、気高きロックバラード『Safe and Sound』、「民衆を導く自由の女神」感半端ないシンフォニックメタル『約束』、Roselia5人の絆の結晶ともいうべきメロディアスな陽性ハードロック『”UNIONS” Road』と、今回も既存曲に一切の抜かりなし。

 

 

 そしてそして、初CD化された3曲は、いずれも過度な期待にバッチリ応えられたと断言できるほど素晴らしい出来栄え!

 まず『Avant-garde HISTORY』は、デカダンな優美さや崇高さを照射したプログレナンバー。Roseliaならではの耽美性をさらに深化させたばかりか、現時点におけるRoselia史上最大の難易度と変態性が兼備されてるあたりに メンバーの並々ならぬ成長ぶりと 作曲を手掛けた紗夜(Gt.)の美意識と性癖(?)が垣間見えて中々面白い(実際はElements Garden藤田淳平氏が作曲アレンジを手掛けてるんですけど)。

 そんな中、「惨めでも構わない 此処で歌い続けると決めた あの日から 私達に終焉は来ない」「この先 幾度時が止まろうと私達はその度に歯車を動かそう」など、5人がRoseliaを取り戻した2章のストーリーを想起させるフレーズを絡めながら 過去を全て受け入れ決意表明をしているのがやたら熱い。まだ選挙権を持たない身でこんな悟りの境地に達してんのもスゲーなって感じなんですけど、これ程の強度とスケール感を有した楽曲と友希那(Vo.)の孤高のボーカリゼーションがあるがゆえに成り立ってるというか、逆にこれくらい揺るぎない信念を歌や歌詞に込めないと割に合わん笑。

 

 

 『Break your desire』は、奈々さんのアルバムに収録されててもなんら違和感ないエレガ節バリバリのシンフォニックハードロック。中二病患者を刺激するメロディとか サビの落とし方とか Aメロやサビで散見されるキメの挿れ方とか、「何だよ上松またかよ」って言いたくなるほど どうしようもないレベルで上松すぎる手癖が炸裂しちゃってます。やたら派手に狂騒するストリングスもElements Garden鉄板スタイルって感じだし、水樹奈々×Elements Gardenの楽曲が好きなら もはや熱狂する以外に道はないって感じの楽曲ですな。

 

 

 そして『Song I am.』は、楽器隊(特にドラム)の硬質な演奏がクローズアップされたストイックなゴシックハードロック。その手のサウンドは、Roseliaの最初期の楽曲である『BLACK SHOUT』『LOUDER』を想起させるものですが、歌詞の内容も、最後の最後に刻まれたフレーズに分かりやすく表されてる通り『LOUDER』と密接にリンクしており、『LOUDER』よりもさらに未来へと視線を向けたような内容になっているのが特徴的ですな。

 

 

 楽曲面ではリリース毎に難易度が上がっていったり、歌詞の面では『BRAVE JEWEL』などで友希那(Vo.)の心境の変化が刻まれていたりと、曲配置だけでなく 至るところでバンドストーリーの展開やメンバーの成長が投影されているんですよね。でも細かいことを言うと、音源における演奏やアレンジ、サウンドプロダクションはいっちばん最初の楽曲から十分すぎるほど洗練されてるので、パッと聴きだと成長ぶりを汲み取りにくいんだよな。まあ声優さん達が参加してるのは飽くまでボーカル・コーラスワークだけで、演奏はライブのみでの参加(レコーディングは最初から現在もプロのミュージシャンによるもの)ですから、そこにツッコミを入れるのは野暮ってもんですかね。

 

 いずれにせよ、今回も期待に違わぬ良作でした。前作からの重複収録3曲の存在が悪い意味で引っ掛からなければ、楽曲だけ追ってるライトリスナーでも楽しめるはず。そして、前作同様 HR/HM初心者の入門作としても十分に機能している一枚でもあります。

 

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