アルバム感想『モノクローム』 / Uru


『モノクローム』 / Uru
2017.12.20
★★★★★★★★☆☆

01. 追憶のふたり ★★★★★★★★★☆
02. 奇蹟 ★★★★★★★★☆☆
03. フリージア ★★★★★★★☆☆☆
04. 鈍色の日 ★★★★★★★★★☆
05. ホントは、ね ★★★★★★★★☆☆
06. しあわせの詩 ★★★★★★★★☆☆
07. Sunny day hometown ★★★★★★★☆☆☆
08. fly ★★★★★★★☆☆☆
09. The last rain ★★★★★★★★★☆
10. いい男 ★★★★★★★★☆☆
11. アリアケノツキ ★★★★★★★★★☆
12. 娘より ★★★★★★★★☆☆
13. すなお ★★★★★★★★☆☆
14. 星の中の君 ★★★★★★★★☆☆

 

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 女性シンガーソングライター・Uruの1stアルバムであります。

 

 詳しいプロフィールは軒並み非公表で、メディア露出がほとんどない(カバー動画配信やワンマンライブはあるけど)ことなどから「謎だらけのシンガー」なる異名があるそうですが、(それが意図的な演出にせよ単なる結果論にせよ)そんなミステリアスな印象に相応しい 崇高な美しさを秘めたボーカルがなんといっても魅力的!淀みやブレのない優等生な歌唱、そして儚げながらどんな苦境にも屈しない芯の強さや誠実さが窺える透き通った声。まさに実写版 小公女セーラじゃないすか。

 

 で、収録されているのは9割近くがオーセンティックなバラード。全14曲入り67分というボリューミーさと併せて考えると なんだか眠気を催しちゃいそうですけど、私的には寧ろバラードオンリーでも良かったんじゃないかってくらい最初から最後まで聴き入ってしまいました。

 

 基本ピアノや管弦アレンジを用いていながらも お涙頂戴のドラマや映画にありがちな 過度のドラマティック演出はほとんどなく、匙加減も曲によって実に様々。それでいてボーカルが確実に引き立つよう意識もされてるし、彼女自身もそれに甘んじることなく 各曲における感情の機微をしっかり表現している。ゆえに、バラエティ豊かとまでは言わないけど、少なくとも どいつもこいつも似たり寄ったりなんて事態には陥ってないし、オーセンティックなバラードだらけでも それぞれ異なる風景や美しさがあるんだということを実感させられます。

 

 切なさを喚起するシリアスバラード『追憶のふたり』、一般的なJ-POPバラードに最も近いアプローチの優しげ兼おおらかな『奇蹟』、眩い光が泉の如く溢れ出まくってる『フリージア』、モノクロの情景が徐々に彩りを取り戻していくようなイメージの『鈍色の日』、ピュアでなおかつデリケートな心情を真空パックしたかのような『ホントは、ね』、朝靄に包まれた森林の風景が目に浮かぶヒーリング効果抜群ナンバー『しあわせの詩』と、冒頭から6曲立て続けにバラードが並んでるけど、どれも似通ってはないでしょ。

 

 

 アルバムの中間地点には、軽やかに弾む『Sunny day hometown』、緑が生い茂った大地を駆けるイメージの『fly』といったミドルアップナンバーが配置されてます。もちろん、彼女の持ち得る品格や透明感を大切にした作風なので、曲単位でもアルバム単位でも違和感なく聴けます。

 

 

 神秘的なオーラに満ちたバラード『The last rain』、ハートブレイク男子の心模様を柔らかなタッチで表現した穏やかバラード『いい男』、本作中で特に切実さが前面に出た歌唱に胸を締め付けられる『アリアケノツキ』、心の奥底に閉じ込めていた温かさを伝える盤石のJ-POPバラード『娘より』、きったない心を根こそぎ洗浄する『すなお』、瑞々しさと幻想性を有したピアノ+ストリングスバラード『星の中の君』と、後半はややイージーリスニングに近い感触がありますが、曲ごとにそれぞれ儲けられた明確に異なるドラマをきちんと歌とトラックで演出できてるゆえ、私的には無問題。

 

 

 客観視をするなら、全体的なボリュームをもちっと軽減して アップナンバーやちょっと趣向を変えた小品をプラスしたほうが より聴きやすくて良いんではないかと思いますが、今回のアルバムは オリジナル作品という体ではあっても それ以上にUruとして歩み始めてからの集大成という意味合いのほうが強いと思うし、各曲の旨味をしっかり堪能しつつ彼女の高きスペックもしっかり汲み取れましたからね。歌や曲だけじゃなくアルバムとしても好きな作品。

 

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