アルバム感想『オリオンブルー』 / Uru


『オリオンブルー』 / Uru
2020.3.18
★★★★★★★★☆☆

01. プロローグ ★★★★★★★★★☆
02. 今 逢いに行く ★★★★★★★★★☆
03. あなたがいることで ★★★★★★★☆☆☆
04. space in the space ★★★★★★★★☆☆
05. marry ★★★★★★★★★☆
06. 願い ★★★★★★★☆☆☆
07. Don’t be afraid ★★★★★★★☆☆☆
08. 頑な ★★★★★★★★★☆
09. いい女 ★★★★★★★★☆☆
10. PUZZLE ★★★★★★★☆☆☆
11. Scenery ★★★★★★★★☆☆
12. 横顔 ★★★★★★★★★☆
13. remember ★★★★★★★★☆☆
(Special Track)
14. Binary Star / SawanoHiroyuki[nZk]:Uru ★★★★★★★★★☆

 

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 約2年3ヵ月ぶりとなる2ndアルバム。

 

 ぶっちゃけ前作(1st『モノクローム』)とそんなに大きく作風が変わることはないだろ~と思ってましたけど、二番煎じに終止することなく 程よく変化をつけてきましたな。「崇高な美声」と「麗しきバラード」という黄金の取り合わせをメインとしながら、前作にはなかったタイプの楽曲にチャレンジしたり、同じバラードでもこれまた前作とは異なるアレンジや歌唱法で臨んだりと、「らしさ」をしっかり堅守しつつ「新しさ」も随所で打ち出してると。

 

 ドラマ「中学聖日記」の主題歌でお馴染みの『プロローグ』は、いい意味でドラマ主題歌らしい磐石のスローバラード。J-POP感が蔓延したメロディも 運命の人を求めてるような歌詞も おもっくそベタベタですが、「歌唱スキル」と「歌声の魅力」が同等に値する彼女のボーカルを前にした時こそベタバラードが真価を発揮する時。ものっそく良い曲やん。安易にストリングスアレンジに着手してないトコもまた良きかな。

 

 

 と言ってるそばから『あなたがいることで』『願い』では臆面なくストリングスを取り込んで より一層ベタ度を増したバラードに仕上げられてますけどね。まるでコバタケみたいなアレンジやがな…と思ったら、前者はマジでコバタケプロデュース曲だった。まあコバタケにしては度量を弁えてるというか、胃もたれするくらいにストリングスをドーピングした楽曲達を思えば出来栄え上々ですよ(何様)。

 

 

 『remember』も大雑把に言えばベタなストリングスバラードになるのかも分からんけど、こっちは閉塞から開放へ向かうようなメロディと夜明けを連想させるアレンジが 彼女のボーカルと相乗して温かな希望を喚起してくれるので、ケチをつける気など微塵も起こらない。良曲。

 

 

 逆に新たなチャレンジとして耳を惹くのが『space in the space』。ミドルテンポのチキチキR&Bサウンドと 艶っぽさを打ち出した歌唱が新鮮。そして歌詞も今までにないタイプというか、言ってしまえばエロ。「本能のままに揺れ合って 理性はとっくに失って」となかなかハードエッジなフレーズが飛び出したりもしますが、決して下品にはならず彼女自身のパブリックイメージをしっかり維持し持ち味を活かせているのが流石。

 

 そして『Don’t be afraid』。こちらは軽快なピアノ+バンドサウンドとハンドクラップを用いたゴスペル風アップナンバーであります。今までになかった作風なのに 違和感どころか寧ろめっちゃUruちゃんっぽい笑。今後もこういうブラックミュージック系に手をつけてみるのもいいかもね。

 

 ほんでさらにさらに。バラードはバラードでも、『marry』『Binary Star』ではアレンジと歌唱の双方で ベタベタバラードとはまた違う魅力が引き出されています。

 

 前者はフォークトロニカに着手した瑞々しいバラード。潤いに満ちたアコギループと無機的な眩さを放つデジタルアレンジが織り成すサウンドも良いし、程よく機械処理を施したボーカルも透明感を損なわない心地よい響きでこれまた。

 

 

 で 後者は、澤野弘之氏が手掛けているだけあって RPGを思わせるオーケストラルなアレンジが特徴である 雄大な開放感に富んだバラード。サウンドのスケールに呼応して彼女のボーカルもこれまでにないほどの力強さや気高さが発揮されてます。メンタル面での芯の強さが滲み出た曲は過去にいくつかあったけど、やっぱり歌声だけでもこういう純然たる力強さを打ち出すことが出来るんですね。

 

 

 その他、ピアノとアコギとストリングスを絡めたサウンドをバックに 溢れて止まない愛しさを歌い上げる『今 逢いに行く』、ネバギバ精神を暑苦しさなく歌い上げた すこぶる清々しいミドルナンバー『頑な』、実は本作中 唯一の存在であるシリアス切ないバラード『PUZZLE』、ハートブレイク女子の心模様を柔らかなタッチで表現したピアノバラード『いい女』、ダイナミズムを迸らせた打ち込みでさらなるドラマティックさを醸成した『Scenery』、まるで湖の中で金の斧銀の斧を管理してる女神のような大らかさや神々しさを有したピアノ+ストリングスバラード『横顔』…といった感じで、

 

 前作に比べるとJ-POP然としたベタなバラードが若干増えましたが、それでもバラード過多が苦にならない細かなアプローチ分けが随所で施されてるし、それが漏れなく効果的に作用してる。歌声こそが最大の武器であり、いずれの楽曲でもそれをどフロントに立てていながらも、そこに頼りきりにならずアレンジ面でも抜かりなく工夫を凝らしてるのが良いですな。前作に引き続きこれも好きなアルバム。

 

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