アルバム感想『UNSER』 / UVERworld


『UNSER』 / UVERworld
2019.12.4
★★★★★★★★★★

01. Making it Drive ★★★★★★★★★☆
02. AFTER LIFE ★★★★★★★★★★
03. Touch off ★★★★★★★★★★
04. 境界 ★★★★★★★★★★
05. stay on ★★★★★★★★★☆
06. First Sight ★★★★★★★★☆☆
07. ODD FUTURE ★★★★★★★★☆☆
08. 無意味になる夜 ★★★★★★★★★☆
09. EDENへ ★★★★★★★★☆☆
10. ConneQt ★★★★★★★★☆☆
11. OXYMORON ★★★★★★★★★☆
12. One Last Time ★★★★★★★★★★
13. ROB THE FRONTIER ★★★★★★★★☆☆
14. GOOD and EVIL ★★★★★★★★★★
15. UNSER ★★★★★★★☆☆☆

 

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 ベスト盤を経てリリースされた 約2年4ヵ月ぶりとなるオリジナルアルバム。

 

 これは凄いです。間違いなくUVERworldの最高傑作です。
 2019年時点で行けるとこまで行き着いちゃったってくらい 時代の音をこれまで以上に巧みに着こなしてるし、フィジカルとデジタルのハイブリッドぶりがより洗練を極めてるし、それでいてUVERのぶっとい軸となってる 嘘や綺麗事のない生き様が説得力を上積みして貫徹されてるわけですよ。”UVERworld”というバンド名が意味する「自分達の世界をも越える」をかつてないまでに愚直に体現していることにふるえる~(広海・深海風)って感じ、みたいな。

 

 前作はハードロックとEDMをハイブリッドしたものがメインでしたが、今回はそこにR&B/HIP-HOPまで混ざっている上に 各ジャンルの境目もこれまで以上に曖昧になってるものがほとんど。それはつまり、ハードロックが実権を握った楽曲がだいぶ減少したということでもありますね。エレクトロ側が織りなす音圧や粘りや豊富な発色、R&B/HIP-HOP由来のグルーヴが優勢になってる曲も少なからずあるし。ワンオクの現時点での最新作(『Eye of the Storm』)もハードロックとR&B/HIP-HOPのハイブリッドさせた音を鳴らしてましたが、あれとはまた違った混ざり合い方。

 

 歌詞は、時代に左右されないUVER(というかほとんどTAKUYA∞)の生き様や人間の本質を歌ったものが大半。ということで、根幹となってるトコは以前と大きくは変っちゃいないのですが、積年の経験あってこそ紡がれたフレーズばかりだし、だからこそTAKUYA∞の喉から発せられる言葉はリズムや音色だけでなく しっかり意味と力が宿って我々の鼓膜に届くわけですよ。

 

 では各曲について軽く触れていくと…まずは冒頭、ここ最近のEDMに大きくウェイトを寄せた『Making it Drive』でさっそく大雑把にサウンド面におけるアルバムの概要を提示。今回はバウンシーなEDMサウンドがメインだぞと。『7th Trigger』とか『Fight For Liberty』みたく性急なハードロックはほとんどねぇぞということを予感させるわけですが、ダンスミュージックを好んで聴いてる身としては、否応なしにここで「ぬぉおおおおおっ!!!!!」となっちまうのですよ。

 

 続く『AFTER LIFE』でも前曲の予感を継承した EDM×R&B×Rockナンバー。つってもRockは終盤で申し訳程度に挿入されてるだけで、実質トロピカルハウス成分を多く含有したEDMでコーティングされたR&Bって感じの楽曲。初っ端の「おぉ~~うぅ~~♪」が近頃のEDM感バリバリでいきなり恍惚モノなのですが、ヴァースにおけるメロディラインとか言葉の嵌め方とか従来のR&B楽曲を踏襲したような作法でこれまた良い。孤独に苛まれている人等を後押しするような歌詞もダイレクトに響くし、個人的にコレは大当たりの一曲。

 

 

 

 という感じで、これ以降の楽曲も何らかの形でEDMサウンドが導入されているわけですが、バンドサウンドが死滅してるわけではないので その点はご安心を。
 今やUVERの新たなスタンダードナンバーとなりつつある どこかボタニカルな印象の『ODD FUTURE』も、豊かな彩りと空白を意識したエレクトロサウンドが大々的にフィーチャーされてはいますが、ジャカジャカアコギがメインのバンドサウンドを効果的に併用しているし、鳴門の渦潮さながらのEDMサウンドの圧で応酬する重厚アップナンバー『Touch off』もシンプルなバンドサウンドが単なる添え物に終止しない骨格を形成しているし、この曲に関しては終盤で 聴く耳持たない通りすがりにまで訴えかけるかのようなスピーチさながらの熱血語りも設けられてるから、鬱陶しいまでにお馴染みのUVERフィーバーが感じられます笑。

 

 

 

 『GOOD and EVIL』は、『DECIDED』とはまた違ったカタチでハードロックとEDMとの融合がバッチリ嵌まったナンバー。ハードロック発のアグレッションや骨太さ、EDM発のフューチャリスティックな煌びやかさや立体的な曲線美を打ち出すグルーヴ感が潰し合うことなく活かされていて、以前よりもまた一歩先へ進展したような感じが。
 『ROB THE FRONTIER』は、融合というより EDMサウンドを纏った疾走ハードロックといった感じで、本作中では最も肉体的な力強さが表れた一曲。

 

 

 

 恋愛の根本を改めて見つめ直したかのような『First Sight』、純粋な想いを貫徹しきれない心の葛藤ぶりがなんとも苦い『ConneQt』といった 胸をピクンと刺激させる恋愛ソングもしっかり完備。アコギ弾き語りが原型であるかのような印象の前者と、ミドルR&Bサウンドを起点しているようなイメージの後者。どちらも最終的な着地点はミドルテンポのエレクトロ×バンドサウンドでありながらも、出発点がそれぞれフィジカルとデジタルで対比が効いてるところが面白い。歌詞の印象も真逆だしね。あと、音数は割かし控えめなのに それぞれの音の絡ませ方がやけに複雑なのが恋愛の在り方を体現してるようで、これまた興味深いポイント…ってまあそこは流石に偶然でしょうけども笑。

 

 

 

 EDMとハードロックが溶け合うようにハイブリッドされた『OXYMORON』、HIP-HOPが根幹となっている『One Last Time』はサウンドも勿論良いけど、「約20年絶えず足掻き続けてきたTAKUYA∞だからこそ」の成分がぎゅうぎゅう詰めにされた歌詞がとにかく胸にキまくりで、それが楽曲の好みにもそのまま直結してる感じ。テンポはそんなに速くないし、いちいち歌詞カードを手に取らずとも 意味を汲み取りながらしっかり聴き取れるってのがやっぱり大きいのかな。

 

 

 

 その他、『EDENへ』ではフューチャーベースに近接したサウンドを取り込んだり、『stay on』ではドロップを採用しつつ バンドサウンドを土台にしたトラップをカタチにしてみせたり、『境界』ではファンキーなアンサンブルを軸にして ビートが飛散するようなボイパや身体を突き上げるようなEDMを織り交ぜたり、『無意味になる夜』ではゆったりとしたバンドグルーヴで気持ちよく聴かせるアーバンソウルに仕立て上げていたり、インスト『UNSER』ではダブステップをぶち込んだりと、ひとえにハードロックやEDM、R&B/HIP-HOPが混在したといっても やり口は様々。

 

 

 

 TAKUYA∞曰く、前作『TYCOON』でUVERworldのシーズン1はひとまず完結とのことで、つまり本作がシーズン2の始まりということになるわけですが、いちリスナーに過ぎない私的には前作と今作の間で区切られてる印象ではないというか、これまでのUVERの集大成と 今のUVERが突き進める中での最先端の双方を兼備してるような感じがしました。まあメンバー的には集大成ちっくなものを作ろうだなんて意識は微塵もないと思いますけど、歌詞からはちゃんと滲み出てるんですよ、これまで芯がブレることなく蓄積し続けてきた強固な経験と実績が。まさに「真っ新に生まれ変わって人生一から始めようがへばりついて離れない地続きの今を歩いている」ってやつですな。

 文句なしの名盤です。そして2019年最強の一枚です。さらに言うと、これを聴いて「変わらないために変わり続ける」という よく耳にする わけのわからん格言の意味をなんとなく咀嚼できたような気にもなりました。

 

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