アルバム感想『strobo』 / Vaundy


『strobo』 / Vaundy
2020.5.27
★★★★★★★★☆☆

01. Audio 001
02. 灯火 ★★★★★★★★★☆
03. 東京フラッシュ ★★★★★★★★★☆
04. 怪獣の花唄 ★★★★★★★★★☆
05. life hack ★★★★★★★★☆☆
06. 不可幸力 ★★★★★★★★☆☆
07. soramimi ★★★★★★★★☆☆
08. Audio 002
09. napori ★★★★★★★☆☆☆
10. 僕は今日も ★★★★★★★★☆☆
11. Bye by me ★★★★★★★☆☆☆

 

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 19歳(リリース当時)の美大生である男性シンガーソングライター・Vaundyの1stアルバム。

 

 先行で配信された楽曲がシティポップちっくだったりヒップホップライクだったりオルタナロックっぽかったりと、The 1975とはまた違った幅広さ もとい とっ散らかりぶりをチラチラさせてましたが、アルバム全体を見てもそんな感じでした。
 星野源とか米津玄師とかKing GnuとかヒゲダンとかSuchmosとか、J-POPやJ-ROCKのトレンドにあらかた手をつけてみたかのようなラインナップであります。総じてなんとなくオシャンティに仕上がってるのもまさにトレンド笑。

 

 こりゃあまるで星のカービィじゃないすか!なんでも吸い込んじゃうし、スカキャラじゃなければなんでもコピーしちゃうし、ジャケ写も思っきしピンクで塗りたくられてるし笑。でも一度お口に入れてるだけあって、自分なりにしっかり咀嚼をした上で自分の表現したいことをアウトプットしてる感がちゃんと窺えるゆえ、コピーというよりインスパイアと言ったほうが正確ですね。

 

 あと、カービィとの決定的な違いを挙げるならば、Vaundyは全く以て音痴ではないぞと笑。技術的に歌唱力に長けてるという感じではないけど、感情の起伏(特に高ぶり)が直に投影された感のある 年相応の荒削りな歌いっぷりからは、ポップなメロディやオシャンティなサウンドと同等の強い求心力が感じられます。

 

 実質的なオープニングナンバー『灯火』から早速 彼のポップセンスが弾けてます。曲自体は アコギの軽快な鳴りが下地となった躍動感ある爽快アップナンバーで表層は何の変哲もない感じですが、A→B→Cのメロ展開を2度ループし、焦らしに焦らして最後にサビを持ってくるというメロディ展開がいきなりイレギュラー。なんか浜崎あゆみの『HEAVEN』とか思い出すな。ただ、そのメロディ展開に無理矢理なヒネクレ感は微塵もないし、それまで抑制していたテンションを終盤で爆発させ 最後までそのまま突き抜けるボーカルワークも相俟って、むしろ きちんと筋の通ったストーリーになってる。楽曲単位で聴くと「えっ、もう終わっちゃったの?」的に聴こえるけど、アルバム単位だと はじめの一歩として清々しいまでに上手く機能してるのが良いっすな。

 

 

 

 『GYPSY DOLL』(ZYYG)を青く瑞々しく仕立て上げたような ハキハキでどこかチャーミングなオルタナロックナンバー『怪獣の花唄』、これまたちょっと変化球なメロディ展開を繰り広げてる ダウナーなHIP-POPナンバー『不可幸力』、とにかくサビで鳴らされる大味大仰なヒット音に色んな意味で驚かされるアイロニカルなバウンシーアップ『soramimi』と、ジャンルはバラバラながらどれも佳曲。ほんで、これらいずれの曲も前述通り 年相応の荒削りな歌いっぷりが炸裂してるわけですが、感情が高ぶると ちょっと菅田将暉っぽくなる笑。さすがに狙ってやってはないと思うけど、こんなトコでもちゃっかりトレンドを押さえていたり。

 

 

 

 AOR的な香りも十分な 気怠げシティポップ『東京フラッシュ』、LUCKY TAPESがたまーに演るような感じのレイドバックしたソウルナンバー『life hack』、チル入ったR&Bナンバー『napori』、日常風景を切り取ったかのような平穏さと足取りの軽さに心が落ち着く『Bye by me』といったオシャンティソングでは、『怪獣の花唄』『soramimi』などから一転、ボーカル面で仄かに芳醇さを漂わせてきやがってるのが特徴的。背伸びしてる感じじゃなく、作風に応じて自ずとスイッチを切り換えてる感がありますな。ボーカルにおけるこの柔軟性はさりげなくもVaundyの強みの一つかも。
 『僕は今日も』はベッタベタの壮大バラードですけど、そのベタさがプラスに働いた 歌とメロディの旨味が活きた佳曲であります。

 

 

 

 ぶっちゃけ、Vaundyのキャラクター性とか主軸となってるものとか、この1枚聴いただけではほとんど汲み取れなかったけども、まあデビューしたばっかだし、まだ19歳とか20歳とか やりたい盛り(言い方)の時期ですからね、方向性定まってない感は今のトコは無問題。収録曲は総じて面白かったし、次の一手でどう攻めてくるのか楽しみでもあるし、今後も要チェックや!(相田彦一風)ってことで。

 

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