アルバム感想『止まっていた時計が今動き出した』/ ZARD


『止まっていた時計が今動き出した』/ ZARD
2004.1.28
★★★★★★★★★☆

01. 明日を夢見て ★★★★★★★★☆☆
02. 時間の翼 ★★★★★★★★☆☆
03. もっと近くで君の横顔見ていたい ★★★★★★★★★☆
04. pray ★★★★★★★☆☆☆
05. 出逢いそして別れ ★★★★★★★☆☆☆
06. 止まっていた時計が今動き出した ★★★★★★★★★★
07. 瞳閉じて ★★★★★★★☆☆☆
08. さわやかな君の気持ち (Album Ver.) ★★★★★☆☆☆☆☆
09. 愛であなたを救いましょう ★★★★★★★★☆☆
10. 天使のような笑顔で ★★★★★★★★★★
11. 悲しいほど 今日は雨でも ★★★★★★★★★☆

 

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 オリジナルとしては約3年ものブランクを経てリリースされた10thアルバム。

 

 まず、アルバムタイトルがめちゃくちゃいいっすね!『止まっていた時計が今動き出した』ですよ!やや長めの活動休止期間を経て ようやく本格的にリスタートを切ったというその意気込み。90年代を代表する女帝たる貫禄。「お前ら待たせたな」と言わんばかりの重厚なリインカーネーション感。ものっそく痺れます!

 

 そして、そんな重厚なタイトルを一身に背負ったナンバー『止まっていた時計が今動き出した』。これがまた、その名に恥じぬ素晴らしき曲なんですわ。初期ZARDを想起させるムード感、郷愁を喚起する歌謡メロディ、芯のあるどっしりとしたリズムと、ZARDをZARDたらしめる要素を内包しつつも容易く時代に淘汰されないサウンドメイキングを実現させてます。渋い!そして仄かに情熱的!ここでの泉水さんの声色にフィットした作風だし、この時期に生まれるべくして生まれた 晩期ZARDを象徴する名曲っすな。

 

 ちなみに泉水さんのボーカルは、瑞々しさや繊細さを変わらず有する一方でほんのり円熟味を帯びたような印象で、その変化が少なからず楽曲の作風に影響を与えています。

 幻想的なミドルバラード『もっと近くで君の横顔見ていたい』なんてモロにですよね。泉水さんの歌唱がもたらす深みある艶がしっかり活きた力作じゃないすか。
 冒頭のしっとりパートはなんか秘境の宿の女将さんみたいな出で立ちで、本編に入ったら、泉に潜んで金の斧と銀の斧を隠し持ってる女神みたいな佇まいという このちょっとした二面性も当時の泉水さんならではって感じで。まあそこまで歌い方に大差はないですけども笑。

 

 『愛であなたを救いましょう』は厳密には本作用の新曲じゃなくストック曲だそうですが、こりゃまた渋い曲やな。こういうブルージーなサウンドも違和感なく着こなしてます。

 エキゾチックでダンサブルな妖艶ミドルアップ『出逢いそして別れ』は、かの実験的ナンバー『I can’t let go』の延長線上にあるような印象ですが、試行錯誤感のない自然な振る舞いにアダルティな色気を感じますな。ストレートに言っちゃえば、泉水さんの声めちゃくちゃエロいっす!

 

 その一方で、明るく穏やかなポップソング『天使のような笑顔で』では母性もチラつかせつつ茶目っ気なんかも出したりしているし、柔らかな風に乗って流れるイメージの『明日を夢見て』は花王のCMに出演していてもおかしくなさそうな雰囲気を醸し出してるし、ZARDのアルバムでトリを飾る曲としては珍しい爽快アップナンバー『悲しいほど 今日は雨でも』は、溢れる涙ぬぐってまた一歩踏み出そう的な清々しいエナジーを放ってるし、

 これらの曲を聴いてると なんか育児休暇を経て復帰を果たしたキャリアウーマンみたい感じがするな。目立ったリリースがなかった時期ってもしかして泉水さん子育てしてたんちゃうか?って思ってた人も多少は居たんじゃないですかね。

 

 『時間の翼』は前作収録のものとは違い、キーが下がり 瑞々しくふわふわしたバージョンに改変されてます。前回のテイクのほうが好みですけど、これもまあアリっちゃアリ。

 『さわやかな君の気持ち (Album Ver.)』はそれ以上に大きく変わってますが、これは流石にちょっと。キーが下がってるだけでもアレなのに、なんか不必要に派手になっちゃってるし、原曲が持つ淡いトキメキは一体どこへやらって感じ。まあ改悪とまでは言わないし、本作に収録するのであればリアレンジは必須だってのは分かるんですけども、もともと可愛い女子高生が不慣れなメークをした結果その子自身の魅力を削いでしまったみたいな、そういうリメイクなんで正直これはスキップ案件。

 

 あと『瞳閉じて』。メロディとか、ミドルバラードから終盤で豪快なアップナンバーに転じる展開とかはいいなと思いますけど、リズムの音がどうも気に入らんのですよね。バンド感を有した音を鳴らすなら機械臭さをもうちょっと消すとか、いっそのことちゃんとプレイヤーを招いて演奏してもらうとかすりゃいいのに、なしてこんな整形の縫合跡がハッキリ残ってるみたいな音で仕上げちゃったのかね。風俗嬢の宣材写真かって。

 

 てな感じで、ちょいちょい引っかかる箇所がありはしましたが、全体的にはなかなかの力作なんじゃないでしょうか。前作と違い、下手にトレンドに着手することなく、かといって全盛期に回帰するという愚行に走るでもなく、でもZARDブランドはぶっ壊すことなくしっかり継承してますから

 

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