アルバム感想『時間の翼〜30th Anniversary〜』 / ZARD


『時間の翼〜30th Anniversary〜』 / ZARD
2021.9.15
★★★★★★★★☆☆

01. Get U’re dream ★★★★★★★☆☆☆
02. この涙 星になれ ★★★★★★★★☆☆
03. promised you ★★★★★★★★☆☆
04. 痛いくらい君があふれているよ ★★★★★★★★☆☆
05. 窓の外はモノクローム ★★★★★★★★★☆
06. お・も・ひ・で ★★★★★★★★☆☆
07. 明日もし君が壊れても ★★★★★★★☆☆☆
08. 世界はきっと未来の中 ★★★★★★★☆☆☆
09. hero ★★★★★★★☆☆☆
10. 時間の翼〜30th Anniversary〜 ★★★★★★★★★★

 

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 ZARDの9thアルバム『「時間の翼」』のリアレンジ版。ということで、原盤との違いや変化を綴りながら本作の感想を書いていきます。原盤「時間の翼」の感想はコチラ

 

 まず原盤から大きく変わったことと言えば、ギター(特にアコギ)や鍵盤の音が前面に出ており、これらが楽曲の雰囲気を決定づけていること。それに加え、全曲共通で従来のバンド感を意識したリズム音が採用されてること。これにより原盤にはなかった「統一感ある作風」が実現されてます。

 さらに言うと、こういったサウンドアプローチに伴って、R&Bやヒップホップといったブラックフレーバーが薄れたことが挙げられます。消去や撤廃じゃなく、あくまで「薄れた」。ブラック要素は音触りじゃなくコーラスやノリの部分で息吹いており、決して足枷にならずプラスの意味合いで作用してます。

 

 まあ言ってみりゃ、試行錯誤的に時代(1999年〜2001年当時)に擦り寄せていた部分を修正して、世間が連想するZARDっぽさに近づけたということですよ。なので、いわゆる「アップデート」でもなけりゃ「現代風に改変した」とも違う、「やり直し」ってやつですよねこれは。

 

 試行錯誤感がモロに出てた『痛いくらい君があふれているよ』『promised you』は凄い変わりよう。あんなに薄味のっぺらぼうなアレンジだったくせに、骨格も輪郭もしっかりした音になってるじゃないすか。20年ちょいの歳月を経てようやく本来の姿を手に入れたって感じがして、なんかちょっと感動的。

 『Get U’re Dream』は明らかにこのテイクがいちばんZARDっぽくて自然な仕上がりですけど、ぶっちゃけ原曲(とVersion Two・Version Three)のほうが好みだな笑。

 

 『窓の外はモノクローム』も めちゃくちゃ分かりやすく変わってます。ブラックフレーバーを象っていたコーラスを後方に持っていき、代わりにアコギをフィーチャーしたことで、原曲とはまた味わいが異なる懐かしさを纏ってます。このバージョンもなかなか良いな。ゆえに原型との優劣がつけがたい。

 

 原盤ではリズム音がゴリゴリでエッジが効いてたアップナンバー『この涙 星になれ』『世界はきっと未来の中』序盤で言及した通り、この2曲に関してもリズムが従来のバンド感を意識した響きになってるわけですが、それってつまりアグレッションがだいぶ控えめになったということなんですよね。エッジーな鳴りに痺れてた人からしたら、この2曲はまろやかでどうもショボいなと感じてしまうかも。

 

 かくいう私も、『世界はきっと未来の中』に関してはまさにそんな印象。初聴がこのテイクであれば違和感なくすんなり受け入れられたはずだけど、リズム音がやたらリキ入りすぎてゴリゴリしちゃってるパワフルな原盤テイク(another style 21)と、2ステップを踏みたがってる感が窺えるダンサボーなシングルテイクを聴きまくってる身としては物足りなく思えてならないわけですよ。

 

 でも『この涙 星になれ』は意外とアリなんですよね。従来のZARD感を醸成するアコギが、意外とこの曲にもハマっているということなのかしらん。あと、冒頭で鳴る「チュドーン!」って音がいっちょまえに2010年代以降っぽさをアピってますね笑。「なに現役ぶっとんねんアホ」って言いたくなるアプローチだなこりゃ。

 

 『明日もし君が壊れても』は、原盤にはなかったシンフォニックなアレンジが施されてます。今回採用されてるリズム音との相性を考えれば、このリアレンジはアリ。仰々しくなり過ぎず、かつ退廃的なムードを損なわないさじ加減が実に巧みです。でもやっぱ原盤テイクのほうが好きだな笑。

 

 『hero』は、エロゲ感が漂白されてオーソドックスなバラードになりました…って、そこまで大々的には変わってないけど。
 そして『時間の翼〜30th Anniversary〜』ですが、なんか青春群像アニメのOPみたいな作風だな。リアレンジされても結局この曲が最強っていうね。

 

 原盤とリアレンジ版を聴いてあらためて思ったのは、あのとき無理して時代に乗っかる必要はなかったんじゃないのか?ってことだな。だって1999〜2001年の段階でも本作に近い音は鳴らせたはずだし、仮に当時この音を聴いたとしても「乗り遅れてんな〜」とは絶対に思わないし、それでいて周囲がイメージするZARDっぽさはしっかり堅持されてる。

 

 まあそうは言っても、原盤は原盤で割と好きな音だし、完全に当時のトレンディなサウンドメイクに振り切った『Get U’re Dream』Version Two・Version Three(いずれもカップリングに収録)とかくっそオモロイやんけ!って思ってましたけど、ところどころで「無理してんな〜」「頑張っちゃってんな〜」っていう痕跡が見え隠れしてたから、そこが時に痛々しくてどうしても引っかかっちゃうっていう話で。

 

 てかここまで言っといてアレだけど、リミックスを除けば全体的にはリアレンジ版よりも原盤のほうが好きです笑。強いて言うなら。なんやかんやで原盤は聴き慣れちゃってるし、もっと言えば『この涙 星になれ』『世界はきっと未来の中』はゴリゴリ鳴ってたテイクのほうが圧倒的にカッコいいですもん。

 

 

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